インタビュー

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「医心(いやすこころ)」「愛心(あいするこころ)」をモットーに、自分の家族を連れて行きたくなるような病院が目標です

患者さん一人ひとりの全体をみる「医心(いやすこころ)」、すべての人を愛する「愛心(あいするこころ)」という考えを大事に診療しています。自分や自分の家族の健康を任せられるような“ホームドクター”になれれば幸いです。

(院長先生へ)
丁寧な説明を心がけているのはなぜですか?

患者さんご自身で病気をご理解いただくことが、よりよい治療につながると考えているからです。そのため、多少時間がかかっても、納得されるまで丁寧で分かりやすい説明を心がけています。

また、納得いただけていれば次回の診察時に再度説明する必要がなくなり、患者さんに無駄な時間を使わせることもありません。このように診察がスムーズに進められるよう努めています。

患者さんに対して気をつけていることはありますか?

患者さん一人一人を尊重するように気を付けていますね。私は医者ではありますが、医者として上からの目線ではなく、対等な立場・同じ目線で接することが大切だと考えます。それにより、患者さんも肩肘はらずにいろいろ話していただけると思うからです。そのため、医者・患者さんで上下関係をつくらずに、あくまで同じ立場に立って説明するようにしています。このスタンスは、スタッフにも徹底させています。

「医心」「愛心」という言葉を掲げている理由はなんですか?

「医心」とは、「いやすこころ」のこと。この言葉は、診察する際に、体や病気といったうわべをみるのではなくて、患者さんそのものをみることが大切だという意味です。そのため、私たちは診察中にパソコンだけを見ているようなことはしません。しっかりと患者さんのほうを向いて診察しています。

「愛心」とは、尊敬している先生に教わった言葉で、愛するこころで診るという意味です。
「医心」「愛心」、この2つの言葉をスタッフ一同大切にしております。

(直子先生へ)
同じ女性として、母親として、女性の患者さんやお子さんに気をつけていることはありますか?

お話しをする時は、“医師”の立場で聞くようにしています。というのも、母親として親御さんと同じ土俵に立ってしまうと、冷静に考えれば落ち着いて話せることでも、「それは分かっていますが、でも…」と感情的になってしまいかねないと思うからです。それでは、聞く側も耳を持ってくれませんし、話したいことも話せなくなり、悪循環になってしまいます。そのため、あくまでも医師として、一歩引いて冷静に対応するようにしています。

アレルギー疾患等の場合、漢方を併用することがあるそうですが、西洋医学と東洋医学の併用のメリットは何でしょうか?

漢方薬の一部を、腸内細菌の一部が食べて分解し効くかたちに替えてくれるのだが、それが少ない人だと効き始めるまでに時間がかかります。そういった漢方と、腸内細菌との関係が「漢方薬=即効性がない」というイメージを持たせているのかもしれません。
即効性で効くような人の場合には、西洋薬のように処方し、そうではない方には漢方薬だけでは時間がかかってしまいます。

たとえば、高熱ですぐに熱を下げたいといった即効性を求めている患者さんは、つらくて受診しているのに漢方薬では改善に時間がかかってしまうこともあります。その場合、まずは西洋薬を処方し、その後、症状が落ち着いたら漢方薬で根本治療を目指す、というようにバランスをとるなど、患者さんの要望に合わせて使い分けるようにしています。

漢方を取り入れたきっかけをお教えください。

私の父親は、薬学部を卒業した後に大学の医学部に入学し直し、医師になった経歴の持ち主なんですが、薬学を学んでいたこともあってか、当時から漢方薬を治療に取り入れていたんです。そんな父親の姿を見て育ったこともあり、漢方薬の領域に入りやすかったのかもしれません。

また、私の尊敬していたある皮膚科の先生が漢方薬を使っていたことにも、影響を受けたと思います。その先生は皮膚を診るだけではなく、全身の状態をよくしていくために漢方薬を取り入れていたんです。私は皮膚科が専門ではありませんが、全身をみるという考え方は内科でも同じです。西洋薬と漢方薬のどちらかにかたよるのではなく、いいとこどりをめざして診療しています。

漢方薬がおすすめの疾患はありますか?

更年期障害や子供の思春期、妊娠・出産の後、皮膚のトラブルなどに適しているケースが多いです。これらの状態に共通するのは、ホルモンバランスや自律神経の乱れなんです。ホルモンバランスや自律神経の乱れは、さまざまな不調を同時に引きおこすことがあり、漢方薬はそうした状態に対処するのが得意なんですね。

たとえば、子供の反抗期というのは、大人の身体になる移行期にホルモンバランスが変わることから、妙にイライラしたり、反抗したりしてしまうということもあるんです。そういうときには、きっとお母さんも不安になったりイライラしたりしてしまいがちですよね。

そんな時にいきなり自律神経の薬を処方すると、余計に不安がらせてしまうかもしれません。だから、症状に合わせて、お母さんとお子さんの両方に漢方薬を飲んでいただくようご提案することがあります。漢方薬でイライラなどに対処しながら、体質改善をめざしていくわけです。

(お二人に質問)
スタッフには「自分の親や子供を連れて行きたくなるような対応を」と指導しているそうですが、そういう指導をはじめた理由と、具体的な対応方法を教えてください。

患者さんの立場にたって考えてほしい、という思いがあるからですね。自分が「行きたい」「家族を連れてきたい」と思えないクリニックは、不安ではないですか?自分でそう思えないクリニックに、患者さんが大切な子供や両親を連れて行きたいと思えないのは当然なことです。ですから、わたしたち医師も「自分が患者なら、何をしてもらったらうれしいだろう?」と考えて行動するようにしていますし、スタッフにもそう指導しています。

感染症対策で隔離室が四つあるそうですが、どうして複数あるのですか?

たとえば、子供がおたふくかぜにかかってしまったので、クリニックを受診したとします。そのとき、水ぼうそうにかかっているお子さんと一緒の部屋で待たされたら、感染してしまうのではないかと不安になりませんか?

1つの待合室に異なる病気の患者さんが滞在すると、違う病気に感染してしまうリスクがあるんです。そこで、“重複感染”を避けるために、感染症とひとくくりにせず、お部屋を複数用意することにしました。

また、感染症だけではなく、予防接種の際にも専用の待合室が必要ですよね。元気なお子さんが、当クリニックで病気に感染してしまっては大変ですから。